先日、NHKのラジオで東京農業大学名誉教授の小泉武夫先生がお話しされていたのですが、
全国の捕鯨地のお寺には、たいていクジラの墓や供養塔があるそうです。このようなクジラ供養が始まったのは、鯨組ができて発展していった1700年頃からと言います。
江戸時代の人々はクジラを「肉」としてではなく、「魚」として食べていたようです。
米が主食の日本人には貴重なタンパク源だったに違いありません。
人間が生きるためとは言え、クジラを殺し、食べる事に対して、申し訳ないという気持ちがあったからだと思います。どうか成仏して欲しい、という気持ちで、クジラ一頭一頭に対して、位牌をつくり、供養塔を建て、戒名をつけた。このような文化を持つ国は日本以外にはなかったようです。
考えてみれば、米にしろ、パンにしろ、肉や魚、野菜にしろ、人間が食べるものは、すべて生命あるものである。そういう命をいただく事によって、我々の命は成り立っています。
だからこそ、食べ物に宿る命は大事に、粗末にしてはならないのです。そこには感謝がなければなりません。日本人の「いただきます」という言葉は、あなたの命をいただかせていただきますという意味なのです。実は、この「いただきます」と同じような意味を持つ言葉は、日本以外にはどこにもないそうです。
大変貴重なお話でした!
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鯨位牌と過去帖 |
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